追い詰められた状態になると、周りが見えない深刻な状態になる場合があります。
一人で抱え込まないで
不安な気持ち
つらいこと
なんでも話してください。
このサイトは、埼玉県の若年層向け自殺予防キャンペーンの一環です。 後の動画にも出てきますが、20代の死因の半分以上は自殺によるものです。 若くして自殺という選択をしてしまう方ができるだけ少なくてすむよう、 もし、周りで悩んでいる人がいたらゲートキーパーになってあげてください。
※ゲートキーパーとは、悩んでいる人に気づき、声をかけ、話を聞いて、
必要な支援につなげ、そっと見守ってあげられるような人のことです。
今回、美人時計モデル4名とナビゲーター3名をお招きして座談会を開きました。 一見、日々が充実していたり、華やかにもみえる「美人時計モデル」たちの中にも、 さまざまな悩みや葛藤を抱える若者の等身大の声が思いのほかたくさんありました。 自殺の実情について知ってもらい、どういった意見を持って、どうしていくのが良いか? 2時間程の座談会でしたが、いくつかのお題で話しあうことでこのサイトができました。 この機会に、若年層の「自殺」について考えてもらえるきっかけになればと思います。
おとちゃん 自殺者が多いということは把握していましたが、具体的な数字は知りませんでした。
さやか ふだん殺人や戦争関連のニュースばかり目にしていたので、自殺がここまで多かったことにショックを感じています。
県庁 Fさん 自殺者の比較で用いられる自殺死亡率は、人口10万人当たり何人が自殺しているのかを示したものになります。
平成26年の警察統計によれば、日本は19.8人、埼玉県では18.9人でした。平成27年の自殺対策白書による主要国の自殺死亡率で比較した場合、アメリカは11.0人、ドイツは8.5人といった結果なので日本の自殺の多さがわかります。
美咲 あくまで個人的なイメージなのですが、県民性なのか、向上心が高い人が多いかなぁと感じます。一つのことに特化して頑張っている人? もちろんそれは良いことなのですが、状況によってはマイナスに働くこともあるかなと。
あやな それ、すごく分かります。埼玉県って首都圏に近くて交通の便もいいので、色んな夢をもった方が集まってくるかと思うんです。そんな人達が大きな悩みにぶつかったとき、ふと周囲を見渡すと親しい人が誰もいない。そのことに一人絶望して、そのまま……、っていうケースがあるんじゃないかなって思います。
美咲 理想が高いんですよね。都心部に近いっていうのもあって、もっと頑張ろう、って。
美咲 埼玉も中心からちょっと離れると、近所の噂がすぐに広がりやすい地域でもあるかなって思います。ちょっとした出来事がすぐに口コミで広がって、そこに居づらくなったりとか。
さやか “周囲の目が気になる”っていうのはあるかも。例えば、大学を卒業しないと駄目とか。しかもランクも上の方じゃないと駄目とかあるから。そういった“世間が唱える理想”も、原因になりうるのかなと思います。
美咲 あります(笑)。それについては本当に原因がよく分からなくて、ふつうに学校生活は楽しく過ごしていたし。だけどふとしたとき、急にテンションが下がるというか、よく分からない波が来るんです。現在でも、ひどく気分が落ち込む時は、正直死にたくなりますね。
さやか わたしは、本気で死にたいって思ったことはないですね。どちらかというと、死ぬくらいなら頑張ろう! 目の前の目標を達成しよう! って考えるタイプです。
一同 凄い! かっこいい!
さやか そうですね。いま看護の大学に通っているんですが、勉強とか、努力しても出来ないことってやっぱりあるんです。それが悔しくて挫けてしまうこともあるんですけど、死ぬ勇気があるなら、その覚悟で努力してみようって。
おとちゃん わたしも、「死にたい」って思ったりするんですけど、でも死ぬほどじゃないなって思い直しますね。悩みができたら、とにかく考えないようにしています。どんなに悲しいことがあっても。
おとちゃん 人に話すと自分の耳にも入ってくるので、言いたくないんです。考えないようにして、忘れちゃいます。時間が解決してくれるのをじっと待っています。
あやな 「死にたい」が口癖になっちゃてる人も多いですよね。本当に死にたいと思ってなくても、気軽に使えちゃう言葉。
美咲 Twitterで「死にたい」って検索したことがあるんですけど、「テストの点数が悪かったから死にたい」とか、「好きな人にフラれたから死にたい」とか、「死」に関連するツイートが毎秒毎秒出てきますよ。気軽に、大量に。
あやな 目の前に「死にたい」って言う人が現れても、止めることはしないです。
あやな ちょっと変な話になるんですけど、悩みのない人に突然「死ね」って言ったら暴力になるじゃないですか。じゃあ、逆転の発想をしていただいて、いま「死にたい」って言ってる人に「生きて」って言うのも、ある意味暴力になるんじゃないかなって。
あやな もちろん、最終的な着地点として生きてもらうことは大前提なんですけど。でもまず、「死にたい」と打ち明けてくれた相手の気持ちを肯定してあげることが大事かなって。その上で「わたしはあなたの味方」「あなたが生きている間はいつでも隣にいるから」って伝えられたらと思います。そうやって歩み寄ると、自分が死にたいと思った時も、おなじように助けてもらえるかな、と。
さやか うんうん、話を聞いてあげたいって思いますね。悩み事ってやっぱり聞いてもらえると楽になるし、「困ったときは相談」って思ってもらえることが大事かなって。
おとちゃん わたしは死にたいと思い悩む人がいたら、「一緒に死のうか」って言っちゃうかもしれない…。
あやな それ、すごく嬉しい!!、と思います。「こんなに自分のこと考えてくれる人がいるんだ」って、大きな力になる。
おとちゃん じつはわたし、友達を亡くしていて…。なので、自分にとって「死」は身近なことなんです。だから逆に、死ぬってそんなに怖くないんじゃないかって思う自分もいるんです。でもあんな寂しい思いはしたくないので、置いて行かれるくらいなら…っていう感じですね。
おとちゃん 友人を亡くした当時は、相当ふさぎ込みました。毎日とても悲しかった。とにかく辛かったです。
県庁 Fさん お話いただいて、本当にありがとうございます。みなさんに見ていただいた動画内でも説明がありましたが、1人が自殺で亡くなると周囲の5〜6人が遺族となり、心身ともに大きな影響を受ける、とされています。残された側は心に大きな傷を負ったまま生きていかなくてはなりません。命に関する悩みは周囲にも相談しにくく、最悪の場合、「自分も一緒に死のう」と思い至るケースもあります。
美咲 負の連鎖ですね。
県庁 Fさん その通りです。行政としては、国をあげた活動をおこなっていくことによって、悲しい思いをする方が一人でも減ればいいなと。そういう思いを胸に、自殺の原因になりうるさまざまな問題に対応していきたいと考えています。
県庁 Fさん さまざまな悩みが重なるとニッチももサッチもいかなくなり、自殺の引き金になることが大いにあります。 例えば、学校や職場の「イジメ問題」。じつはイジメって、イジメだけで亡くなる方は少ないんです。ではどうして自ら命を絶ってしまうのかというと、イジメを受けた上で「家族のサポートが得られなかった」「未来に希望が見いだせなかった」などといった他の要因がプラスされ、その結果自暴自棄になって自殺に至ってしまう、ということが多いようです。
県庁 Fさん 複数の要因が孤独に追いやり、「死」を選択させてしまうんです。その内のひとつでもブロックできれば、自殺を思いとどまってくれる可能性が高くなるかもしれません。 現在死にたいと悩んでいる方には、周囲や行政に「助けて欲しい」とアピールしていただきたい。危険信号を出して欲しいです。何としてもそういった方たちを助けたい。
県庁 Fさん そうですね、まずは「生きてみよう」と思ってもらえるところまで引き上げられるかというところかな、と。
美咲 こんな言い方をしたら失礼かもしれないんですけど、わたしはあんまり「支えるよ」とかって謳わないほうがいいんじゃないかって思っていて。よく『人は一人じゃ生きていけない』っていうキャッチコピーを目にするんですけど、それって「一人は駄目なんだ」って思わせちゃうのかなって。
美咲 誰にも支えてもらえない人もいるし、家族や友人が居ない人だって一定数いると思うんです。大人になってから、両親の範疇外の事が起こってしまって、はじめて揉めることもあるかと思います。親の思うような子どもになれなかった、とか。
あやな 家族や友人も、全部分かり合えるわけじゃないんだよね。
美咲 うん。イジメ問題も、友だちがいなくてもいいじゃないかって。まずは“一人だから可哀想”っていう世間の目を変えないと。生きることのレベルを下げたり、幸せの基準を下げたりすることもアリなんじゃないかって。孤独でも、給料が低くてもいい。ただ生きてるだけでって訳じゃないですけど、ご飯を食べて美味しいと感じることも幸せなんだよって。そんな風に、小さなことを喜べる世の中って、どうだろう。
県庁 Fさん 行政だけでは気づかない視点もあるので、どんなことでも気軽に相談いただければと思います。とくに若い世代の方からの反響があると、もっともっと動きやすくなるので。
あやな わたしは美咲さんと反対の意見で、「社会に参画したい」「認められたい」と思いながら日々を過ごしています。というのは、実は、わたし自身が『ADHD(LD)』という知的障がいを伴わない発達障がいの一種をもって生きていることに関係しています。
先ほど見た動画のなかで、「原因不明の体調不良で自殺を選んだ」という方がいらっしゃるということでしたので、この場を借りて少し『ADHD(LD)』についてお話させていただきたいなと。
あやな はい。まずADHD(LD)とは、主に「数字に弱い」「他人に失礼な発言をしてしまう」「落ち着きが無い」「忘れ物を良くする」などといった要素が見られる『注意欠陥多動性障がい』のことで、感情や行動を自分自身でうまくコントロールできないといった特徴をもっています。
あやな ここでちょっと質問なんですが、みなさんは私を見て「何かおかしいな」って思うところ、ありますか?
一同 え〜! 分からない!
あやな ごめんなさい、たぶん無いかなと思うんです(笑)。 ADHD(LD)を持っている人は、見た目的にみなさんと何ら変わりがないんです。それっていいことでもあり、悪いことでもある。ようは気付かれにくいんですね。しかも大人になっても自分がADHD(LD)患者だということに気づかない方も多いんです。そういうわたしも、成人してから気付きました。
あやな わたしは極端に数字に弱い、いわゆる『言語型』で、足し算引き算ができません。そもそも数字や時間という概念がないんです。時計も読めないので、アナログ時計を4等分してケーキに見立てて、あとどのくらいケーキが残っているかを想像しながら大体の時間を計算しています。これは独特な感覚なんですけど。
あやな 時間を守ってしっかり働くとか、そういうことも難しい。ただ話す分には何の問題も無いので、周囲に馴染んでしまったんです。違和感を抱えながらも自分が合わせればいいんだと。そうこうしているうちにストレス過多になり、ある日突然、原因不明の体調不良になりました。
あやな ADHD(LD)の方には、そういった健常者にはなかなか理解してもらえない部分が多いので、だんだん仕事や外出が難しくなって、自ら社会との関わりを絶ってしまう方が非常に多い。そこからうつ病になって、最悪死に至る、といった負の連鎖がある病気なんです。
埼玉県庁 保健医療部 疾病対策課 職員 Fさん
あやな この状況をどうしたらいいのか自分なりに考えた時、「社会に認められたい」という思いが強くなったんです。いまの状況を誰かに打ち明けたときに、「大丈夫。あなたへの見方は変わるけど、それは配慮の仕方を考えるという意味でだから」って。そんな風に言って欲しい。カミングアウトしても大丈夫なんだって。安心できる世の中になって欲しいんです。
あやな 「あの人はADHD(LD)だから」とか、「病気だから」「こういう障がいだから」とか、それでいいです。色眼鏡で見てください。その上で、私達にしか出来ないこと、して欲しいことを、現実的に一緒に考えて欲しい。
あやな 現に、ADHD(LD)を抱えてる友人は裁縫がすごく上手で、凝ったものはすごいレベルなんです。だけどインターネットが出来ないとか、運営に関して携われないという部分があって、うもれてしまっている。そういうところを行政さんしかり、社会の皆さんの手が届くようになってくれればなと。
県庁 Fさん 実際、ADHD(LD)の方は何かに突出してる方が多いので、活動できる場を模索している動きはあります。福祉を絡めた事業をおこなう面白い企業などもたくさんあるので、そういったところとうまく手を組んで、障がいをもった方が活動しやすい社会になればという思いはあります。
県庁 Fさん ただ、日本社会は世界的にみて時間にきっちりしている部分があったり、その人にしかできない仕事を属人的に振られがちだったりと、代えや融通が効かない。そういった負荷のかかりやすい社会をどうするか、といった問題はあります。
さやか 日本は時間にガチガチしすぎかなっていうのは思います。海外とか、もっとゆったりしてるかなって。
美咲 時間に縛られたくない社会人の方は、フリーランスになるのも手だと思います。自分でスケジュールを决められるので、気楽でいいですよ。わたしも最近独立したのですが、時間にゆとりが出来ました。ただ独立する方法を知らなかったので、最初は非常に困りましたね。学校の授業とかで、“独立の仕方”なんて習わなかったので。(笑)
美咲 学生時代に先生や両親や誰でもいいので、個人の才能を深く追求してもらっていたら、もっと将来の可能性が広げられるんじゃないかなって思います。小学生からずば抜けて絵がうまい子とかいましたし。だからもっと大人が「世の中にはこんな生き方があるよ」って、選択肢をたくさん与えてあげて欲しい。)
美咲 あやなちゃんも、お友達も、自分に向いた職業があるって知れたら、人生もっと楽しくなるのかなって。みんなが自分の好きなことに集中できれば、死にたいって気分も「自分にはコレがあるから」って紛らわせることもできるんじゃないかな。)
さやか それには情報が必要なので、公民館とか地域で、誰でも気軽に参加できるような講習をたくさんして欲しいですね。)
県庁 Fさん すでに行政ではこういった情報を開示しているのですが、いかんせん広まらない。そもそも自殺防止活動といった取り組みをしていることすら、あまり知られていないんです。
なのでまずは、国や行政が本気で何とかしようとしていることを知って欲しい。みなさんの意見に耳を傾ける仕組みを、たくさん持っていて、それは誰でも気軽に使えるんだという事実が広まって欲しいです。行政は本当に幅広いことをしているので、電話でも直接でも、訪ねてもらえれば応えます。いつでも気軽に相談してもらえればいいなと思います。)
美咲 一回どん底まで沈んでみる。布団の中で(笑)。
おとちゃん うんうん、落ち込むところまで落ち込んで、そしたら時間が解決してくれることもあるかな。
さやか マイナスに考えても解決しないので、とにかくプラスに考える。明日になれば大丈夫だって思いながら、寝る。寝れば大丈夫。
あやな わたしは気が済むまで大泣きして欲しい。カラオケで思いっきり歌うとか。スッキリします。
美咲 埼玉県で、元気が無い日に一人カラオケするとスタンプがもらえるキャンペーンとか、どうですか?「鬱カラオケ」?店員さんも愚痴って良くて、言い合いっことか。(笑)
あやな それいい! 「今日はスカッとしませんか?」みたいな!いろんなお店で。
おとちゃん 街起こしの一環として、ぜひやって!
県庁 Fさん いろいろなアイディアがありますね。行政としても、いろいろなアイディアを自殺予防につなげられればと考えます。
そうはいっても、つらい気持ちがひどくなると、一人ではどうにもならなくなってしまうので、悩みを抱えたら「まずは、相談」をお願いしたいと思います。
さやか いままでこういうお話を聞ける機会がなかったので、世界が少し開けました。
おとちゃん 今日はいつもの女子会よりも盛り上がりました。ありがとうございます。
一同 ありがとうございました。
今までに本気で自殺したいと思ったことがあると答えた方で、
最近1年以内に自殺したいと思ったことがあるか
自殺対策に関する意識調査(平成23年内閣府)
自殺を考えたとき、どのようにして乗り越えたか
自殺対策に関する意識調査(平成23年内閣府)